(6)選び出す条件(続)

  • まずはfTを見ます。
    • HFのミドルバンド以下で使うのであれば100MHzもあれば十分でしょうが、できれば180MHz以上あるとハイバンド以上でも余裕が出てきます。2SC〜の型番ばかりに目が行きますが、別にfTが高ければ2SDでもかまいません。
  • 次に用途です。
    • 結論から申しますと、オーディオ電力増幅用・電源用・スイッチング用でありかつfTが十分高ければ、C級であっさり使える可能性が高いです。
    • 但し、通常A級かB級で動作させるオーディオ用素子だからといって、RF領域でもA級動作させられる場合は稀です。
    • 電源用途でも、高電圧用は曲者です。耐圧は50V以下のほうが低電圧で使いやすいです。
  • 次に重要なのは、PcとIcです。
    • ”両方が”高い方がよりパワーを引き出せる可能性が高いです。
    • 中間周波増幅用などがこれに当たるのですが、fT, Pcともに高くてもIcが極端に低いものがあります。これはパワーが出ません。
    • 目安ですが、Pcが数ワットクラスでIcが500mAも行かないものはかなりの確率でパワーが出ません。数十ワットクラスでしたら、数Aは流せないと厳しいと思います。
  • 最後にパッケージです。
    • TO-92パッケージでは、本来用途外である高周波領域で1W以上を出すのがしんどい場合が多いです。
    • 放熱が可能なパッケージの方が好ましいでしょう。

これらの値はパーツショップの店頭に表示してあるか、あるいは「トランジスタ規格表」等で確認してみてください。